戯言遣いになりたい

戯言 なら 良かったのになぁ

戯言で蓋をする

行き着きたいのは何処だろうとか、そんな風にやんわりと未来を考えていたあの頃からどう退化したのか、過去の心的外傷が頭に纏わり付いて離れない人間に成り下がっていた。

あぁ、あの頃はああで、どうせこれからもそうで、今だってああだ、きっとこうだ。煩い、煩い、煩いんだよごちゃごちゃ。黙っておくれよ。そうたしなめるのは私でたしなめられるのはわたしで、でも両方餓鬼のまま、未熟だ。未熟でどうしようもなく莫迦で愚かで、だからこんなことを延々と考えている。本来するべきことを蹴落としてまで掴んだ物は何だろうか。 退化し続けてそれでも尚、けらけらと愚かなことを繰り返しているのだ。得るものなどきっと、無いのだ。蛇口を失くしてしまってあるのは排水口ばかりで、空っぽの空洞に近づき続けるのだ。

独りで居たい。踏み込んで来ないで欲しい。わたしは決めた人にしか内側に入ることを許さない。私の陽気そうな表情だけを見ていて欲しい。何だってわたしの哀しく陳腐な言葉遊びを解った気になって、手を差し伸べて助けた気になって、話すだけで解り合った気になっているのだと叫びたい。公害にならないようにそうしないだけなのだ。だが、勝手に達成感を得ている彼等彼女等も心の何処で何を思っているかわからないのだ。それは誰にもわからない。

私にはわたししか居ないから、他の誰も居なくて、如何したって私とわたしの共依存だ。

 

やっぱり何者かになりたい。出来れば戯言遣いに。

 

嘘っぱちの世界で嘘を吐き続けて灰になって廃れていく私から目を逸らしていて欲しい。知る権利も無いような世界の下に生まれたんだ。消えてしまいたくても、やらなければいけないことはやらなければいけないからやる、正しいとか間違ってるとか関係無く、ヒトが決めたことを守らなければならないような世界だ。心の中で苦しむことくらい、許してはくれないか。私の感情には抑制ボタンしかないんだ、心の中に北風が吹き荒んでガタガタと音を立てても良いじゃないか。耳栓を着けてどうか聴こえぬフリをしてはくれないか。聞かせたくない聴かせたくない、怖い恐ろしい、本音なんて絶対何処か汚いものなのだ。だったら戯言で生きていても良い筈だ。汚い音なんか誰も喜ばないのだから。

何処かで話したがっている。何処かで叫びたがっている。何処かで泣きたがっている。何処かで苦しんでいる。何処かで痛がっている。でも、

 

自分には結局、自分しかいない。

 

戯言の戯言が一周回って泣き言になってしまわぬようにとなけなしの語彙を弄くり回している。